リスク管理(生命保険の税金処理について)

2025年08月31日

わからない事があったら、〇〇士(弁護士・税理士・司法書士など)のような士業の方に相談することが、リスク管理の一つと思います。自分で調べ行動するより、早く間違いが少なく行為ができそうな気がします。FS2級の勉強を始めて少し経ちますが、専門家に相談することは、大切なリスク管理と思います。ぜひ、皆様も専門家に相談することも一つの手段と思います。年に数回 地域によっては無料相談会もありますので、まずそこからいかがですか?

 

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さて、今回は、「生命保険に関する税金」についてです。

 

1.保険料に関する税の優遇について

 

➀生命保険料控除

 

生命保険料を支払った場合に、一定の金額を所得から差し引くことで税負担が少し軽くなる制度。実際の保険料の払い込みをした年において控除対象となり、勤務する会社で年末調整によって適用を受けることも可能です。なお、傷害特約や災害割り増し特約などの保険料は、新制度(2012年以降の契約・更新)では控除の対象となりません。自動振替貸付によって保険料の払い込みに充当された金額も控除の対象となります。

 

②一般の生命保険料控除

 

対象となる保険料は、生命保険会社との保険契約の保険料、農協などの生命共済などの掛け金です。

 

③個人年金保険料控除

 

この適用を受けるには、払込期間が10年以上、年金受取人が契約者本人かその配偶者などの要件がある「個人年金保険料税制適格特約」が付加される必要があります。

 

④介護医療保険料控除

 

対照となる契約は、2012年以降に締結した保険契約のうち、医療・介護等に関する給付金が支払われるものです。身体の傷害のみに基因して給付金が支払わられる契約(傷害特約や災害割り増し特約)は対象外です。

 

⑤控除額はいくらか?(2012年以降の契約や更新の場合)

 

所得税における控除額は、年間の払い込み保険料2万円以下なら保険料の全額、8万円超なら一律4万円、それ以外は2万円~4万円の間の金額となります。個人年金保険料、介護医療保険料も同様、3種類の保険料控除の合計適用限度額は12万円です。

 

 2.死亡保険金にかかる税金

 

➀相続税の課税を受ける場合

 

自分で自分に保険をかけている(契約者と被保険人が同じ)場合、遺族が受け取る死亡保険金は、相続税の対象です。

 

②所得税の課税を受ける場合

 

お金を払った本人がお金を受け取る(契約者と受取人が同じ)場合、受け取る死亡保険金は一時所得として所得税の対象となります。

総所得に含める一時所得の金額=【(死亡保険金-正味払い込み保険料総額)ー特別控除額50万円】×1/2

 

③贈与税の課税を受ける場合

 

3者(契約者、被保険者、受取人)がそれぞれ異なる場合、贈与税の対象となります。その場合、受取人が1年間に個人から贈与された財産と合算され、その合計金額から110万円を差し引いた部分に課税される。

※複数の贈与者からの贈与でも、合計額が110万円を超えなければ贈与税は発生しません。

 

3.満期金・解約返戻金・給付金にかかる税金

 

➀満期保険金・解約返戻金を受け取った場合

 

満期保険金や解約返戻金を受け取った場合、契約者と受取人が同じ場合は所得税(一時所得)、異なる場合は贈与税の対象となります。なお、一時払いの保険を契約から5年以内に解約した場合、受取差益は金融類似商品として約20%の源泉分離課税の対象となります。ただし、満期のない(一時払い)終身保険は「金融類似商品」に該当せず、5年以内に解約した場合でも、解約返戻金は一時所得として総合課税の対象となります。

 

②非課税財産の給付金・保険金

 

入院給付金、手術給付金、高度障害給付金、所得補償保険金など、ケガや病気などの出費を補填する意味合いの給付金は(受取人が本人でも家族でも)非課税です。また、リビングニーズ特約の生前給付金も非課税です。

 

③契約者を変更した場合

 

変更前の名義人から変更後の名義人に解約返戻金相当額の資産の移転があったものとみなされ、贈与税などの対象になりえます。

 

※保険金など3年が時効? でもなさそう? あきらめないで!

保険法第95条によると保険給付金や保険金、解約返戻金、前払保険料を返還する権利は、権利発生時の翌日から3年間行わなかった場合、時効により消滅します。 しかし、自動的に「3年経過したから権利が消滅する」わけではありません。 時効は、時効が成立する事によって利益を受けられる者が、利益を失う者に利益を受ける旨の意思表示をする事によって、初めて成立します。 この意思表示を「時効の援用」といいます。

 

4.法人契約の生命保険の経理処理

 

➀法人が払う保険料の経理処理のルールの大原則

 

貯蓄性のある保険(終身保険など)の保険料は「保険料積立金」として資産に計上し、貯蓄性のない保険(定期保険や医療保険など)の保険料は損金(費用)とするのが原則です。

 

②ハーフタックスプラン(福利厚生目的の養老保険加入)

 

法人契約の養老保険で「被保険者=役員・従業員、満期受取人=法人、死亡受取人=被保険者の遺族」とする全従業員が加入する契約は、貯蓄性があっても全額資産計上にはなりません。一定の要件を満たせば、半分は資産計上、半分は損金算入となります。(なお、死亡保険金受取人を法人にすると、全額資産計上となる。)

 

③個人年金保険

 

お金が貯まる個人年金で受取人を法人にしても、「被保険者=役員・従業員、死亡保険受取人=被保険者の遺族」とすると全員加入すれば、保険料の1割を「損金算入できます。

 

④定期保険等(最高解約返戻金50%以下)

 

保健期間の中でも最も高い解約返戻金(最高解約返捩率)が50%以下の定期保険等の保険料は全額損金算入します。例えば、死亡保険金の受取人を従業員の遺族とする掛け捨て(最高解約返戻金50%以下)の定期保険の場合、金員加入(公平な条件の加入)なら福利厚生費、そうでない場合は給与扱いですが、いずれも損金扱いとなります。また、最高解約返戻率にかかわらず、保険期間が3年未満の保険料は全額損金算入します。

 

 5.貯蓄性のある定期保険等

 

➀最高解約返戻率が50%超70%以下の場合、保険期間の前半の40%は「保険料の40%は資産計上、60%は損金算入」となります。

 

②最高解約返戻率70%超85%以下の場合、保険期間の前半40%は「保険料の60%は資産計上、40%は損金算入」となります。

 

③最高解約返戻率85%超の場合、当初10年は「保険料×最高解約返戻率の90%は資産計上、残りは損金算入」となります。

 

6.配当金

 

配当金は(単にお金が入ってくるので)益金に算入します。

 

7.保険金・解約返戻金

 

法人に各種保険金のお金が入ってきた場合、その保険契約に関して資産として計上されている「保険料積立金」と差額が雑収入(または雑損失)となります。つまり、掛け捨ての保険に関する保険金が入ってきた場合は、いったん全額を雑収入として計上する必要があります。

 

合同会社良いまち不動産 奥田良三